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2012/01/23

Gathering Blue

Gathering Blue (Readers Circle)

Gathering Blue
著者:Lois Lowry
語数:47,889
読みやすさレベル:6.2
評価:★★★☆☆

表紙の少女が美しかったのと、the Giverの関連作品ということで読んでみました。

あらすじ:生まれつき足に障害を持つKiraはたった一人の保護者である母親の死をきっかけに村から追い出されそうになります。しかし、刺繍の才能を見出された彼女はGatheringという儀式のためのローブに刺繍を施す役割を与えられ、村に残れるようになります。新しい日常を送るようになったKiraは同じように才能を見出されたThomasやJoなどと知り合い、十分な食物、清潔な部屋などを与えられ幸せな人生を送るかのように思えましたが…。

感想:the Giverよりレベルを高くつけていた人が多かったのでなぜかなあと思いながら読み始めたのですが、少し読んで分かりました。この作品、訛りの強い人物が出てくるのです。音の通りに読めばなんとなく分かるのですが、文字面だけ見るとすごく分かりにくい。文法も簡略化されているし。これだけ砕けた英語でもネイティブの人は理解できるんでしょうから、私のサバイバルイングリッシュだってきっと分かるよねーとちょっと希望が持てました(汗)

もう一つ面白いと思ったのは、名前の音節の数でだいたいの年がわかる設定。例えば幼少期のKiraの名前はKir、そして成長してKira。なので音節が二つのThomasもKiraと同世代。MattやJoには音節が一つしか無いからKiraたちより幼いことになります。Kiraに染色の技術を教えるAnnabellaが音節4つで大変な長生きということですが、音が10年ごとに増えるとしたら40代、つまりこの村は貧しすぎて短命なのか、とかそんなことを想像します。(もしかしたら10年ごとに母音が増えるわけではないのかもしれませんが…)

閉塞感に満ちた世界で現実の残酷な面を見た少年少女がどんな決断を下すのか、前作から一貫して描かれています。
また一方でthe Giverとは何から何まで対照的な作品でした。
色に溢れ、喧騒に満ちた村、外の世界からもたらされる希望、そしてKiraの最後の決断もthe Giverとは対照的で興味深かったです。前作の面影は殆ど無いのですが最後のほうで、あれ、もしやこれはthe Giverからの伏線が今後回収されるのか…?と思しき箇所があったので続きのMessenger、とっても気になります。


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