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2012/02/05

The Old Woman Who Named Things

The Old Woman Who Named Things
The Old Woman Who Named Things
著者:Cynthia Rylant
語数:1,222
読みやすさレベル:1.7
評価:★★★★

あらすじ:あるところに物に名前をつけるおばあさんがいました。自動車にはベッツィー、椅子にはフレッド、ベッドにはロクサーヌ、家にはフランクリン…。おばあさんはなぜ物に名前をつけるのでしょうか。それは友達からみんな先立たれてしまい、名前を呼ぶ人がいなくなるのが寂しかったから。もう誰にも先立たれたくない、だから自分より長持ちしそうな物に名前をつけるようになったのです。
ある日、家に野良犬が来て…。


Cynthia Rylantの作品です。Cobble Street Cousinsシリーズでこの人の書く老人が好きだったので、"The Old Woman"とタイトルに入っている絵本を読んでみました。Cobble Street CousinsのMrs.Whiteにはまだお友達もいて、地域の人達とも交流がありますが、こちらのおばあさんは完全に一人ぼっち。名前で呼び合う「人」がいません。毎日餌をやっている野良犬にも先立たれるんじゃないかと名前をつけようとしないのです。

But the dog, she faithfully fed at her gate every day still had no name. Since it had no name, the old woman didn't have to worry about outliving it, and she thought herself pretty clever in this.

おばあさんの中で名前を付ける・付けないかが相手を気にかけるかけないの境界としてきたわけですが、実際はそうじゃなかった、という事がだんだんわかってきます。

ちなみに最初は野良犬のことはitと書かれているのですが、最後のほうではheと書かれるようになっています。そんなところにもおばあさんの心情の機微が伺えるのが興味深かった。英語の人称ってこんな所でも役に立つんですね。

しかしこの作品、絵本ですが大人が読んでも十分色々なことを考えさせられます。そして子どもはこの絵本を読んでどんなことを思うのがとっても気になります。