Alice in Time
著者: Penelope Bush
語数:67,166
読みやすさレベル:5.4
評価:★★★☆☆
イギリスの作品で結構ボキャブラリーに引っかかるんですが(telly→テレビ、loo→トイレ等)いつも比較的クラシックな作品を読んでいるせいか新鮮でした。
あらすじ:
14歳のアリスの生活は最悪。口うるさい母親、再婚する父親、うざい弟、自分のことを嫌っているクラスの人気者の少女、家も学校も楽しくない。ある日アリスは突然人生のターニングポイントとなった平和な7歳のころにタイムスリップしてしまう。自分の未来を変えるために奮闘するアリス。そして見えてきた人生の新しい側面は…。
この作品、半分以上読むと、「理想的なエンディング」が見えてくるのだけど、主人公のアリスがちょっと鈍いというか自分の考えに固執していて、コレ、ちゃんと最後きれいに着地できるの・・・?とハラハラしていました。妄想癖があって、みんなに受け入れられたいのにウジウジして、一番の友だちにも自分の気持ちを話せなくて、嘘ばっかり付いて…正直主人公といえどもあまり愛せそうな少女ではなかったです。けれどそれが「ティーンエイジャーの頃ってこんなんだったかなあ…」と却ってリアルな色々多感な14歳を思い起こさせました。
結末はきれいにめでたしめでたし、ではないんですが、この終わり方はすごく好き。7歳のころにタイムスリップしてまた14歳に戻ってきたアリスですが、これからのいろんなことにぶつかっていく長い人生を暗示させるような印象を受けました。
この物語で一番心に響いたのはアリスのおばあさんの言葉。7歳のアリスは過去でおばあさんに再会し、色々なことを相談するのですが、おばあさんから
と言われます。おばあさんは彼女自身の運命を知っているのですが、なんて前向きで建設的な言葉!!いろいろ問題を抱えたアリスにとっても必要な言葉だったのでしょうが、わたしもうじうじしてしまうことがあるので、このおばあさんみたいに考えられたらいいなと思いました。
SF・ファンタジー
人間もの
Lv.5
★3
作者:Penelope Bush