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2015/09/07

Theodore Boone: Kid Lawyer


Theodore Boone: Kid Lawyer
著者:John Grisham
語数:50,657
読みやすさレベル:5.0
評価:★★★★

Theoは13歳の男の子で両親は二人とも弁護士の仕事をしている。Theoもまた将来は法律関係の仕事につきたいと考えており、クラスメイトの法律相談もやっている。
彼の住んでいる街では今、女性の殺人事件の裁判が行われている。容疑者はその夫。しかし証拠不十分でこのままいけば無罪になりそうである。そんな時、Theoは事件の目撃者を知ってしまう。この人が証言すれば判決に大きな影響が出る。しかしその目撃者は不法移民のため、公に出てくれば捕まって強制送還されてしまう......。どうすれば目撃者を証言台へ立たせることが出来るのか?



East 43rd Street(Cambridge English Readers Lv.5)(過去記事へリンク)を読んでたまにはミステリもいいなと思っていたところ、偶然出会った本です。
ジャンルは「法廷もの」らしい。East 43rd Streetに比べると「え、どうして?どうなるの?どうなるの?」みたいなハラハラドキドキは全くないのですが、たくさんの点で非常に興味深い話でした!法律に関係する言葉がいくつも出てきますが、そんなに突っかかることはなく読み進められました。

興味深かった点をいくつか挙げたいと思います。

1)Theoの学校生活が興味深い
学校のField Tripで実際の裁判を見に行ったり、Theoが授業中に行うプレゼンテーションで自分のPCを持ち込んだり、Theoの学年で携帯電話を持っているのは半分だけだったり、しかもTheoの携帯電話はLocal callだけの仕様だったり。フィクションなのでどれくらい実際の中学生の生活に近いかわかりませんが、少なくとも日本の中学では殺人事件の裁判は見に行ったりしないと思う。

2)食生活が貧相!
ほとんど本編に関係ないんですが、何回か登場する夕食のシーンが貧相。両親とも弁護士で二人共働いていて忙しいというのは分かるし、一応本文の中には、お母さんは料理が好きじゃないという説明(ソーセージを焼くこともほとんどしないらしい)と、二人共弁護士だけど金持ちじゃないという下りが出てくるのですが......。なんというカルチャーショック。

3)丁寧な法律や裁判に関係する言葉の説明
Theoは法律に詳しく、友達に法律相談をしているのですが、その際にきちんと言葉の意味を説明してくれます。これが英語学習者にとっても非常に助かる。難しい言葉が沢山出てきたら嫌だな...と思っていましたが、特に問題はないです。
(私が難しく感じたのはどちらかと言うとゴルフ場の説明でしょうか(殺人はゴルフ場近くの家であったので度々ゴルフ場に関係する言葉が出てくる)。ゴルフ全然興味ないし知らないので。でもそのへんはさらっと読み飛ばしましたが)

4)仕事が終わったあとの活動が充実している
Theoの家族、特にお母さんは仕事が終わった後ボランティアをしたり、ブッククラブに参加したりとにかくアクティブ。お父さんは朝活(朝早く家を出て仲間とコーヒーをのみながら話す)が日課だし。Theoも学校が終わったら裁判所に行ったり、移民の子どもたちに英語を教えたり...。
わたしなんか仕事が終わった後は疲労困憊で何もできないというのに......。尊敬するわー。

この話、Theoが事件の重大な手がかりを得てそれに対して葛藤し、以下にして証人を説得するかという話なんですが、それだけでなく色々突っ込みたくなるところもあり、色んな所で楽しめた。最後らへんではハラハラした展開になってきたし。でもこれ、1冊でひとつの問題が解決するのかと思ったら、シリーズもので次巻以降話が続く模様。もちろん一応一段落はしているのですが、2巻以降も読まなければ....。期待!!